怒ってしまったあと、どうフォローする?癇癪後に“親子の絆”を強くする3つの習慣
癇癪で怒ってしまった…そのあとの関わりが、実は大切です
読者:子どもが癇癪を起こした時、つい怒ってしまって…。その後は自己嫌悪とモヤモヤでいっぱいです。どうフォローすればいいのでしょうか?
ハタケ:その「どうフォローするか」こそ、実は親子関係にとってとても大切なプロセスなんです。2024年の研究(Richards & Schreiber)では、“感情的な断絶と修復”が親子の絆を深めるきっかけになることが示されています。
クロ先生:また、2015年の研究(Ostfeld-Etzionら)では、癇癪後の「修復的な関わり」が、子どもの感情調整力に良い影響を与えることも報告されています。つまり、「怒ってしまった後にどう関わるか」が、長期的に子どもの心を育てるカギになるんです。
癇癪後の親子の関係を修復する3つの習慣
- 1. 一呼吸おいてから「ママも怒っちゃった」と伝える:感情の共有は、子どもに“気持ちは伝えていい”という安心感を与えます。
- 2. 「さっきのこと、どう思った?」と聞いてみる:子どもが自分の気持ちを整理するきっかけになります(言葉にならなくてもOK)。
- 3. スキンシップで“安心”を取り戻す:抱っこ、手をつなぐ、となりで一緒にお絵かき…「言葉以外の修復」も大切な手段です。
クロ先生:「怒ってしまった…」と悩む姿勢そのものが、子どもにとって最大の愛情です。完璧じゃなくていいんです。“修復できる関係”が、親子の強みになります。
ハタケ:感情がぶつかるのは、信頼関係があるからこそ。大事なのは、そこから「もう一度つながること」です。
投稿者プロフィール

- 精神科医/マインドルート代表医師
-
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。
試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。
「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。
また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。
所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会
最新の投稿
スピーチ・プレゼン2025年4月15日プレゼンで震えても話せる人になる!緊張を和らげるマインドとジェスチャー活用術
スピーチ・プレゼン2025年4月14日うまく話そうとすると逆効果?完璧主義を手放すプレゼンの心構え
スポーツ2025年4月11日スポーツメンタルトレーニングに効く「集中!」の科学的使い方
スポーツ2025年4月10日「場慣れで緊張は克服できる」は本当?科学的根拠と早く慣れる3つのコツ