本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

子どもの読書・勉強習慣を育てる親の関わり方【専門家解説】

子どもに勉強や読書の習慣をつけるには?

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読者:うちの子、ゲームばかりで勉強も読書も全然…。どうすれば習慣にできるんでしょうか?

ハタケ

ハタケ:よくあるご相談ですね。実は「親の関わり方」や「家庭内の環境」が、子どもの学習や読書習慣に大きく影響していることが分かっています。

クロ先生

クロ先生:例えば2025年の研究(Xu, 2025)では、親子で遊びながら学ぶ「プレイセラピー」が、10〜12歳の読解力を高めたという結果が出ています。「楽しい」が習慣のカギですね。

習慣づけに有効な親の関わり方とは?

  • 1. 一緒に読む時間をつくる
    親子で「読書タイム」を設けると、子どもは自然と読書習慣を身につけます。親が本を楽しむ姿を見せることが何よりの刺激になります。
  • 2. 成功体験を重ねる
    本を読み終えたらシールを貼ったり、感想を共有するだけでも「できた!」という達成感が育ちます。これは読書意欲を高めるポイントでもあります(Irigarayら, 2025)。
  • 3. 時間を区切る
    1日15分など、無理のない時間設定で毎日続けることが重要です。習慣づけの第一歩として効果的です。

読書と脳の発達の関係

2025年のHouらの研究によると、「実行機能(計画、集中、自己抑制など)」は読書習慣と深く関係しており、これが学力にも大きく影響することが示されています。つまり、読書を通じて脳の働きそのものが育まれていくということですね。

ハタケ

ハタケ:子どもが「読書って面白い!」と思えるきっかけをつくること。まずは親がその楽しさを見せてあげることが大事なんです。

家庭内の読書環境が子どもの心に与える影響

スペインの研究(Romero-Gonzálezら, 2023)では、「家庭での読書環境(Active Home Literacy Environment)」が以下の3点にポジティブな影響を与えることが示されました:

  • 読解力の向上:親の関心がある家庭の子は読む力も高まりやすい
  • 読書モチベーションの向上:読書が「楽しいもの」になり、自発的に読むように
  • 親子関係の強化:一緒に読む時間が親子の信頼関係を深める

このように、読書は単なる学習ではなく「感情のやりとりの場」としても重要なんですね。

クロ先生

クロ先生:読書が「やらされているもの」と感じると距離を置いてしまいます。親子の共感がある読書体験がとても大切です。

今すぐできる!読書習慣を育てる工夫

  • 読書コーナーをつくる:お気に入りのクッションや本棚を用意すると、自然と本に向かう時間が増えます。
  • カレンダーで「見える化」:読書した日にはシールを貼るなど、視覚的な達成感をプラス。
  • 本の選択を一緒に:図書館や本屋に行って、子どもと一緒に本を選ぶことで「自分で選んだ」という主体性も育ちます。

ハタケ:子どもに合った方法を見つけて、続けられる形にするのが大切。押しつけないことが成功のポイントです。

クロ先生:習慣は一日にしてならず。でも、共に楽しむ姿勢があれば、親子で一緒に育っていけますよ。

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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