本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

子どもが勉強中にイライラ?感情を育てる3つの工夫で楽しく学ぶ力を育む

子どもが勉強中にイライラして集中できません…

読者 読者:うちの子、勉強していてわからない問題に出会うと、すぐイライラして集中できないんです。できれば、もっと前向きに取り組んでほしいのですが…。

クロ先生 クロ先生:それは多くのご家庭で聞かれる悩みですね。実は子どもが「うまくいかない場面」で感じるイライラは、感情の調整力(エモーション・レギュレーション)の発達と大きく関わっています。

ハタケ ハタケ:2022年の研究(Schoppmannら)では、2歳児でも気持ちを切り替える“気晴らし戦略(ディストラクション)”を学べることが示されました。つまり、子どもは年齢に応じた工夫で感情の切り替えを学べるんです。

クロ先生 クロ先生:また、感情と集中力の関係を調べた神経科学の研究(Camachoら, 2021)では、イライラなどの否定的な感情が高まると学習に必要な脳の働きが妨げられることが分かっています。

実生活で使える3つのTips

  • 1. 小さな成功体験を積ませる:「ここまでできたね!」と肯定し、達成感を増やす。
  • 2. 気分転換の導入:イライラし出したら「10秒ジャンプ」「紙に絵を描く」など、簡単な切り替え行動を。
  • 3. 「失敗=成長中」と伝える:「できない=悪いこと」ではなく、「成長の途中」と伝えることで、心に余裕が生まれます。

ハタケ ハタケ:保護者としての「見守りの姿勢」が、子どもの感情調整力の発達に大きな影響を与えることも知られています(Aberら, 2024)。イライラも成長の一歩として捉えて、伴走してあげてくださいね。

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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