癇癪をへらすカギは「爆発前」。むずかしい日でも使える3ステップ
叱るだけでは、かえってぶつかることがあります。ここでは爆発の前にできる、短くて続けやすいコツをまとめました。専門用語は使いません。家でも外でも、できるところだけ拾ってください。



1) サインに気づく(まずは観察)
- 空腹急に甘い物を欲しがる/ぼーっとする
- 眠気同じ質問のくり返し/目をこする
- 過刺激人・音・明かりでソワソワ
- 切り替え「あと1回」が無限に続く
- 不公平感「自分だけ損」だと感じる
2) 先回りのひと言(15秒でOK)
- 空腹/眠気:「ゼリー半分食べる?」「2分だけ横になる?」
- 過刺激:「静かな所に移ろう」「耳を手でおさえる合図にしよう」
- 切り替え:「タイマー2分→30秒→おしまい」
- 不公平感:「順番にする?別のにする?どっちがいい?」
3) 予告で見通しをつくる(5秒)
短く先読み。「このあと、靴→ドア→エレベーター」。それだけでも落ち着く子がいます。
そのまま使える“短いセリフ”
・「〈名残惜しい〉顔だね。あと1回でおしまいにしよう」
・「〈不公平〉って感じた? 順番か別の遊び、どっちにする?」
・(外出前)「速歩き競争しよ。玄関からエレベーターまで」
外でも安心。ミニ“冷却キット”
- 小袋おやつ/水筒
- 小さな絵本 or 触ると落ち着く物
- ポケットティッシュ+冷感シート(手のひら用)
- ミニタイマー(スマホでも可)
- 顔マークカード(🙂😐🙁)
置き場所はいつも同じ所に。玄関のカゴ/バッグの同じポケットに入れておくと迷いません。
ミニケース
After:「人が多くて疲れたかも(過刺激)」と判断→玄関で耳を両手でおさえる合図→「靴は自分で?一緒に?」の二択→エレベーターまで競歩。数日で出発時の泣きが減ったと感じられた。
ポイント:合図+二択+短い予告
よくある質問
Q. それでも爆発する日があります。
A. あります。そんな日は先回りのひと言だけで十分。体力を残すことも大切です。
Q. 気持ちの言葉が出てきません。
A. まずは4語だけでOK。うれしい/かなしい/くやしい/びっくり。迷ったら「モヤモヤ?」と仮の言葉を置きます。
Q. 兄弟で不公平感が強いです。
A. 親の裁定より、仕組みが効くことがあります。タイマー・順番ボード・二択を固定しましょう。
参考(主要のみ)
- Lieberman MD, et al.(2007)感情に名前をつけると扁桃体の反応が下がる可能性。Psychol Sci. PMID: 17576282
- Burkhardt SCA, et al.(2024)感情に寄りそう親の関わり方のオンライン介入で、親子の行動が改善した報告。Scientific Reports. PMID: 38424200
※本記事は一般情報です。合う方法は年齢・発達・家庭状況で変わります。安全確保を最優先にしてください。
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