本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

【医師監修】リラックスに効く食べ物の具体例

リラックスに良さそうと言われるバナナ、乳製品、ナッツ。その共通点は「トリプトファン」というアミノ酸です。 トリプトファンは脳で“落ち着き”に関わるセロトニンの材料。とはいえ、食べれば即リラックスではありません。 炭水化物との組み合わせやビタミンB6など、脳に届くまでの“通り道”を味方につけるのがコツ。本記事は医師と心理士の視点で、 仕組み→食べ方→限界点まで、だれにでもわかる言葉でまとめました。

リラックスに“効く食べ物”はある?バナナはどう?

読者

読者:緊張しやすくて困っています。食べ物で落ち着けますか?バナナが良いと聞きました。

はたけ

はたけ:カギはトリプトファンというアミノ酸。これは脳で“落ち着き”に関わるセロトニンの材料になります。とはいえ、食べた瞬間に魔法のように効くわけではありません。脳に届くまでの仕組みを味方につけるのがコツです。

やさしい仕組み解説:脳に届く“通行券”の話

トリプトファンは、他のアミノ酸といっしょに「脳への入口(関所)」を通ります。ここは先着順なので、たんぱく質だけを大量に食べると、ライバルが増えて通りにくくなります。一方、炭水化物を少し加えると入口の混み方が変わり、トリプトファンが通りやすくなることが知られています(牛乳+オートミール+バナナのような組み合わせがわかりやすい)。

さらに、トリプトファンがセロトニンになる過程では、ビタミンB6なども手伝います。つまり、いろんな栄養のチーム戦だと思ってください。

すぐ試せる「3つの食べ方ルーティン」

  1. 朝:牛乳やヨーグルト+オートミール(小盛り)+バナナ少量。
    たんぱく質(乳製品)と炭水化物(オーツ)をセットにすると、トリプトファンが脳に届きやすい“通り道”を整えやすくなります。
  2. 午後のおやつ:素焼きナッツひと握り+小さな果物。
    空腹が深くなるとイライラが出やすいので、小さくつなぐのがコツ。
  3. 寝る前:温かいミルク少量か、常温ヨーグルト。
    カフェインは避けて、体温が少し下がるタイミングに眠りに入りやすいよう整えます。

※個人差があります。持病・アレルギー・食事制限のある方は医療者にご相談ください。

飲み物の「OK/控えめ」ガイド

  • OK:水、白湯、カフェインレスの温かい飲み物(就寝前)
  • 控えめ:コーヒー・エナジードリンク(交感神経を刺激しやすく、落ち着きにくくなることがある)

よくある誤解と正しい使い方

  • 誤解:「バナナさえ食べればリラックスできる」
    正しくは:バナナにもトリプトファンはありますが、単体で劇的な変化は期待しすぎないで。乳製品や穀類と組み合わせて、少しずつ整えるのが現実的です。
  • 誤解:「サプリを多く飲めば早い」
    正しくは:研究では良い示唆もありますが、効果は人によりばらつきがあります。薬との相互作用もありえるので、まずは食事から/サプリは医師と相談が安心です。

参考文献(やさしい深掘り)

※本記事は一般情報です。体調・持病・服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は、必ず医療者にご相談ください。

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