本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

本番で緊張して頭が真っ白になるあなたへ

本番で緊張して頭が真っ白になるあなたへ

プレゼン、試合、発表会──いざという時になると緊張して頭が真っ白に。
それは「弱さ」ではありません。実は、脳と身体が“全力を出す準備”をしているサインなのです。
科学的な理解と整った練習法があれば、緊張は「力」に変えられます。

❓ご相談:「緊張で力が出せません」

読者

読者:本番になると緊張して、頭が真っ白になります。自分の力を発揮できず、後悔することが多いです。どうすれば落ち着いて臨めるのでしょうか?

🧠 緊張の正体を知る

ハタケ

ハタケ:それは「パフォーマンス不安(performance anxiety)」と呼ばれる現象です。人前に立つ場面で極度の緊張が生じることで、本来の力が発揮できなくなります。
医学的にも、同様の反応が多数報告されています(Osborne et al., Med Probl Perform Art, 2004(PMID: 15241808))。

ハタケ

ハタケ:ただし、緊張は「失敗の兆候」ではなく、身体が“今に集中しようとしている”証拠です。
Mendesらの実験では、「緊張している」を「興奮している」と言い換えるだけでパフォーマンスが改善されました(Mendes et al., J Exp Soc Psychol, 2010(PMID: 19968414))。

✅ 緊張を力に変える5つの習慣

  • 「緊張=興奮」と言い換える:脳の認知を書き換えるだけで反応は変わります。
  • 模擬本番を重ねる:録音・録画、第三者の前などで「慣れ」を構築します。
  • 呼吸リズムを整える:「4秒吸って8秒吐く」だけで自律神経が安定します。
  • マインドフルネスを日課に:1日5分の“今ここ”トレーニングで集中力アップ。
  • ポジティブセルフトーク:「うまくやらなきゃ」ではなく「準備してきた」と心に言い聞かせましょう。

🎙 専門家の視点

クロ先生

クロ先生:
認知行動療法(CBT)では「暴露療法」といって、あえて本番に近い状況を繰り返すことで、緊張反応は弱まっていきます(Hofmann & Smits, 2008(PMID: 18444039))。
また、マインドフルネスを取り入れることで、「緊張した状態そのものと付き合う力」が養われ、回復力の高い心を育てることができます。

マインドルートのサポートメニュー

ご予約はこちらから

お問い合わせ・ご質問はこちら

投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

コメント

この記事へのコメントはありません。

カテゴリー

関連記事