Z世代と“本番”を語ろう──元サッカー部が気づいた、緊張と育成のセンス
読者:
社会人になって後輩を持つようになりました。最近の若手、特にZ世代と呼ばれる世代との距離感に悩んでいます。
優秀だけどプレゼン直前になると黙りこくる。気づくと目が泳いでるんですよね。心の中で「緊張、無理です」って聞こえる気がして(笑)
自分なんてサッカー部時代、PK外して監督に蹴り喰らって、膝から崩れた男です。あの地獄を知ってる者からすれば、ちょっと物足りない気もしてしまって…。
クロ先生:
PK外しのエピソード、すごいインパクトですね(笑)でも、だからこそ今の立場で伝えられることがありますよ。
パフォーマンス前の緊張って、単に“心が弱い”とかではなく、脳と身体の自然な反応です。誰にでも起こるものなんです。
緊張は“弱さ”ではなく自然な反応
ハタケ:
実際、2024年の海外研究では、スポーツの場でも仕事の場でも「安全な人間関係」が緊張の緩和に重要な役割を果たすと報告されています
[1]。
つまり、あなたの“寄り添い方”が後輩の緊張を和らげるスイッチになる可能性があるということです。
読者:
なるほど…。ただ、こっちは「俺の頃は…」って話したくなっちゃうんですよね。グループワークなんてなくて、全部「根性と走力」でしたし(笑)
でもそれ言うと、若手は一瞬で目を閉じて「お説教モード」スイッチ入ったのかな?ってなるんです。
クロ先生:
たしかに時代の違いはありますね。でも「昔話」って、伝え方次第で“笑える共通体験”にもなるんです。
失敗談にユーモアを添えると、緊張している相手に安心感と親近感を与えられます。
ハタケ:
例えば「俺もガチガチでミスした。でもそれが逆に転機になった」みたいに、経験をただの“語り”ではなく“ストーリー”にする。
それが“共感のツール”になります。
💡「緊張と向き合う力」を伝える、3つのセンス
- ①「昔話」に自虐とユーモアを:笑いは共感の架け橋になります。
- ② 本番前の“失敗エピソード”を語る:緊張が悪いものではないと自然に伝わります。
- ③「こうしろ」ではなく「一緒に考えよう」:対話が後輩との信頼関係を築きます。
読者:
自分の“熱さ”を無理に押しつけなくても、こうやって自然に伝える方法があるんですね。
たしかに、緊張した時の自分に「失敗しても大丈夫だぞ」って言ってくれる人がいたら、だいぶ救われたかも…。
クロ先生:
そうなんです。指導って“教える”より“気づかせる”ことが大切で、そのために必要なのは完璧な説明じゃなくて“温度感”なんですよ。
ハタケ:
それに、後輩の「緊張」を見つけられる先輩って、実はすごく信頼されてます。
声をかけるだけで「ひとりじゃない」って思える。その“さりげない一言”が、最高の指導になることもありますよ。
📘まとめ:熱さは語らなくても伝わる
緊張に強くなるためには、「緊張しちゃダメ」ではなく「緊張してもOK」の空気をつくること。
自分がかつて経験した“本番のリアル”を、今の若い世代に“物語”として届けてみてください。
背中ではなく、言葉で伝える時代の「熱さ」──始めてみましょう。
参考:Interpersonal safety and performance anxiety in sports and work settings (2024)
[1]
関連:本番に強くなる集中カウンセリング /
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