「ウチは0歳から英語!」カフェで飛び出た衝撃発言
読者:「うちは0歳から英語のDVD見せてるよ〜」とママ友。思わずラテを吹きました…(焦)。
早ければ早いほどいい?──脳科学・言語研究から見えること
1) 乳児は“音の耳”が鋭いが、育つのは対話の中
乳児は生後1年のあいだに、聞く言語の音へと脳が急速に最適化していきます(音素の聞き分け=音韻知覚の専門化)。この過程は 実際の言語入力(人の声・会話)に強く影響されます。DVDだけより、人とのやり取りが鍵です[1]。
2) 「母語の会話量」と将来の言語力は関連する
バイリンガル/トリリンガルの研究では、各言語への暴露パターン(家庭・学校・メディア)が思春期の言語成績や話しやすさに関わることが示されています。 つまり、母語での十分な会話が結果として英語力の土台にもなり得ます[2]。
3) 0〜2歳の“スクリーンとの付き合い方”は要配慮
国際的ガイドラインでは、1〜2歳の受動的スクリーン時間を最小限にすることが推奨されています。視聴するなら短時間・高品質を意識しましょう [3]。実践のコツは当サイトのまとめもご参照ください: タブレット学習とスクリーンタイムの考え方。
英語はいつから?どうやる?──今日からできる3ステップ
- まずは母語で“対話を増やす”:日常の実況(「今りんご切ってるよ」)や絵本読みを1日合計15分から。 ことばの“型”は母語のやり取りで育ちます。英語はその上にのる“第2のレイヤー”[2]。
- 英語は“共同視聴+まねっこ”:歌やリズム遊びを親子で一緒に(コール&レスポンス、手遊び)。 「見るだけ」より真似する・指さす・返事するなど相互作用を入れるのがコツ。 詳しくは こちらのコラム で実例を解説。
- 時間より“習慣の質”:毎日3〜5分でもOK。決まった時間帯に短く続ける。 発音は完璧主義より「楽しく聞く・まねる」を大事に(音韻感度の窓を活かす)[1]。
よくある疑問Q&A
- Q. DVDだけでも効果はありますか?
A. まったく無意味ではないですが、人との相互作用が加わるほど学習効率は上がります。共同視聴+声かけが基本です。 (実践例:タブレット学習の記事) - Q. 母語が遅れるのが心配です。
A. まずは母語の会話量を十分に。結果的に英語の理解・表現にも好影響を及ぼします(暴露パターンと成績の関連)[2]。 - Q. 発音はいつ練習すると良い?
A. 0〜1歳は「音を楽しむ時期」。歌・韻・リズムで耳を育てるのが中心で十分です[1]。
まとめ:アンパンマンも、英語も。“会話”がぜんぶの土台
結局のところ、0歳から大事なのは「親子のやり取り」。英語は共同視聴+一緒にまねるの短時間習慣から。 母語の土台が厚いほど、あとから乗る英語も伸びやすくなります。
参考研究(外部リンク)
- Kuhl, P. K. (2010). 乳児期の音韻学習と脳の可塑性(Neuron): PubMed / 無料全文
- Thordardottir, E. (2021). 思春期の言語成績と暴露パターン(J Commun Disord): PubMed
- WHO(2019):5歳未満の身体活動・座位行動・睡眠ガイドライン(要旨): 概要(NCBI Bookshelf)
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