このページの要点:
- EMDRはPTSDだけでなく、試験やスピーチ前の緊張(パフォーマンス不安)にも効果が期待される心理療法。
- 記憶の再処理によって過去のトラウマと現在の反応を切り離し、集中力と安定感を高める。
- 最新の研究では、Flash Techniqueが学生の試験不安を軽減する効果が報告されている。
EMDRって何?トラウマだけじゃない、パフォーマンス不安にも使えるって本当?
読者:最近「EMDR」という療法を耳にしました。トラウマに効くと聞きましたが、実は人前で話すときの緊張や試験不安にも良いって本当ですか?
ハタケ:はい、実はその通りなんです。EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)は、もともとPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療として開発された心理療法ですが、近年では「パフォーマンス不安」や「試験前の強い緊張」に対する応用も注目されています。
クロ先生:2025年の最新研究(Akyolら)では、EMDRを応用した「Flash Technique」が中高生の試験不安を有意に軽減したという報告があります。これは従来のEMDRの一部を応用した簡易的な手法ですが、不安への即効性が期待できるとされています。
🎯 EMDRってどんなことをするの?
EMDRでは、つらい記憶や不安なイメージを思い出しながら、左右交互の眼球運動やタッピングなどを行います。これによって、記憶の再処理(Reprocessing)が進み、過剰な感情反応が落ち着いていくと考えられています。
- ● 昔の失敗が頭から離れない
- ● 人前で緊張して声が震える
- ● 思い出すだけで身体が反応してしまう
こうした反応に対し、EMDRは「過去の記憶と現在の反応」を切り離し、「今」に集中できる心の土台を整えるサポートをしてくれます。
🔍 パフォーマンス不安への応用例
スポーツや舞台、スピーチ、試験など、失敗への恐怖や完璧主義が強い人ほど、過去のネガティブな体験が無意識に反応の引き金となることがあります。
EMDRではその「引き金記憶」に働きかけて、次のような変化を目指します:
- ・過去の失敗を思い出しても、心がざわつかない
- ・本番前の緊張がいつもより軽い
- ・実力を素直に出せるようになる
👨⚕️ EMDRは専門家とのセッションで
EMDRは効果の高い療法ですが、記憶や感情を扱うため必ず専門資格を持った心理士や医師のもとで行うことが大切です。自己流で行うことはおすすめできません。
クロ先生:マインドルートでは、公認心理師や精神科医がチームでサポートし、EMDRやFlash Techniqueを使った「心の土台づくり」に取り組んでいます。
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