このページの要点:
- 育児のストレスが脳に与える影響を、扁桃体と前頭前野の視点から解説。
- 「感情のラベリング」「音と匂い」「3秒目を閉じる」など実践的なリセット法を紹介。
- 感情を抑えるのではなく、“脳を休める”ことの重要性に着目した心のケア術。
“もう限界”と思ったら読んでほしい。感情と脳のリセット術

読者:毎日子どもの世話や家事でいっぱいいっぱい…。些細なことでイライラして、「もう限界かも」と感じてしまいます。

ハタケ:その気持ち、とても自然なことです。私たちの脳は、ストレスが蓄積すると感情のコントロールが難しくなる構造を持っています。

クロ先生:実際に、2025年の研究では、親のメンタル状態が育児行動に影響するだけでなく、「マインドフルネス」など感情の整え方を学ぶことで自己効力感(=自分はできるという感覚)が高まることが示されています。
ストレスがかかると脳で何が起きている?
ストレスを感じたとき、脳の「扁桃体(へんとうたい)」が過敏になり、怒りや不安といった感情が爆発しやすくなります。そして、理性や判断をつかさどる「前頭前野」の働きが弱まることで、感情のブレーキが利きにくくなるのです。
最新の研究(Bair-Marshallら, 2025)では、感情やストレスにより変化する脳の神経回路が、「ケアする気持ち」さえも左右することが示されています。つまり、限界を感じるのは“やさしくなれない自分のせい”ではなく、“脳が疲れているサイン”なのです。
“限界”のサインに気づいたら試したいリセット術
- 1. 感情のラベリング:「今、私は疲れている」「悲しい」「怒ってる」と言葉に出すだけで、前頭前野が働き出し、落ち着きを取り戻します。
- 2. 音と匂いで脳を切り替える:好きな音楽やアロマを使って、感情を別の方向に“そらす”のも効果的です。
- 3. 「3秒目を閉じる」だけでもOK:その間、目からの刺激をカットするだけで脳の興奮が少し落ち着きます。

ハタケ:“限界”を感じるあなたは、がんばっている証拠。責めるのではなく、脳を「休ませること」が必要です。

クロ先生:「やさしくなれない」と感じたときは、まず自分自身にやさしくなってみてください。それが心のリセットの第一歩です。
誰かに話したいと思ったときは
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