イヤイヤ期にイライラ…手を出しそうな自分が怖いママへ。感情を整える4つの工夫
子供のイヤイヤ期にイライラ…手を出しそうな自分が怖いとき

読者:2歳の子どもがイヤイヤばかりで、何を言っても聞いてくれず、ついイライラしてしまいます。最近は、手を出してしまいそうになる自分が怖いです…。

ハタケ:そのお気持ち、痛いほどわかります。イヤイヤ期は「子どもが自我を育てる大切な時期」ですが、毎日向き合う側としては本当にストレスが溜まりますよね。

ハタケ:実際に最新の研究(Xieら, 2025)では、感情を抑える前頭前野がうまく働かないと、強い怒りが「衝動的な行動」に変わりやすいことが報告されています。つまり、“手が出そうになる自分”は、脳の自然な反応でもあるのです。

クロ先生:だからといって、罪悪感を重ねすぎないでくださいね。「自分はこう感じている」と認めることから、脳の自制機能も働きやすくなるという報告(Duら, 2025)もあります。
イヤイヤ期と脳のメカニズム
子どもの癇癪やイヤイヤに直面すると、大人の脳では「扁桃体」という感情のセンサーが反応し、ストレスホルモンが急上昇します。一方で理性を司る「前頭前野」は疲労や睡眠不足で働きにくくなり、ついカッとなってしまうことがあります。
すぐできる!イライラ対処法4選
- 「その場を離れる」:数秒でも物理的に距離をとると、扁桃体の興奮が落ち着きます。
- 「冷たいタオルを握る」:自律神経に働きかけ、気持ちを切り替えやすくなります。
- 「言葉に出す」:「今すっごくイライラしてる…」とつぶやくだけで、脳内の緊張が緩む効果があります。
- 「共感メッセージ」:「この子も今、うまく言えなくて困ってるんだな」と想像すると、攻撃性が和らぎやすくなります。

ハタケ:子育ては、理性と感情のせめぎ合いです。でも、「ヤバいかも」と思える感覚があること自体が、あなたの優しさの証拠です。

クロ先生:マインドルートでは、こうした感情の整え方や関わり方についてのご相談も大歓迎です。自分だけで抱え込まず、少しずつ一緒に整理していきましょうね。
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マインドルートでは読者の方からのご質問に対し、コラムを用いて専門的な見解を積極的にご回答します。
投稿者プロフィール

- 精神科医/マインドルート代表医師
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2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。
試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。
「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。
また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。
所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会
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