🛌 要点|緊張で眠れない夜の“やさしい”自律訓練法
- 試験・発表前の不安で起きる入眠困難に、自律訓練法(AT)の初級ステップが有効。
- 初学者は心臓の公式を省く(重感・温感・前額部涼感のみ)。
- 各20〜30秒×2〜3回、合計5〜7分を静かに反復。
緊張で眠れない夜に:心臓に意識を向けない“やさしい”自律訓練法

読者:明日の試験や発表のことを考えると緊張して眠れません…。布団に入っても頭がずっと動いていて。

クロ先生:それは「パフォーマンス不安」による入眠困難の一種ですね。そんなときは、自律神経を整える自律訓練法が役立ちます。

ハタケ:今日は心臓への意識を含まない初心者向けのやさしい方法を紹介します。身体の感覚(重さ・温かさ・額の涼しさ)にだけやさしく注意を向けるやり方です。
⚠️ 実施前の安全ガイド

エビデンスにもとづく安心感
自律訓練法は、睡眠の質を高める補助的アプローチとして研究で支持されています。試験や発表前の不安が強い夜に、落ち着きを取り戻す一助になります。
参考:Perfect MM, Elkins GR. J Clin Psychol. 2010
今夜からできる!やさしい自律訓練法3ステップ
静かな場所で、椅子に座るか布団で横になって行います。目を閉じ、下の言葉を心の中でゆっくり繰り返します(各20〜30秒×2〜3回)。
※呼吸は「整えよう」とせず、自然にまかせます。
- 1.「右腕が重たい…左腕が重たい…両足が重たい…」
力が抜け、重力にゆだねるイメージ。 - 2.「右腕が温かい…左腕が温かい…両足が温かい…」
じんわり血流が広がるイメージ。 - 3.「額が涼しい」
熱くなった頭がスーッと静まるイメージ。思考が騒がしくなったら、この一句に戻る。
Tips:やさしく続けるコツ
- 寝る前のルーティンにして、5〜7分程度から。
- 「感じなきゃ」と頑張らない。ぼんやりでOK。
- 雑念に気づいたら、ていねいに言葉へ戻る。
- 起床前や昼間に行う場合のみ、軽く伸び・深呼吸で終了に切り替え(就寝時はそのまま眠ってOK)。
よくあるつまずきへの対処
- ドキドキが気になる:心臓には触れず、重たい/温かい/額が涼しいだけへ戻る。
- 何も感じない:感じ方は人それぞれ。言葉の反復が練習の本体。
- 息苦しさが出る:中止して体勢を変える。通院中は主治医へ相談。
まとめ
眠れない夜には、心臓のステップを省いた初級の自律訓練法が安全で続けやすい選択。重さ・温かさ・額の涼しさに意識を添えるだけで、思考のスピードが落ち、自然な眠りに近づきます。
※本ページは一般情報です。個別の診断・治療は医療機関や公認心理師等にご相談ください。
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監修:畠山博行(精神科医)/Mind Route(マインドルート)
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