本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

「学校のスピーチが怖い…」学生のパフォーマンス不安に効く対処法とは?

学生さんの「スピーチ不安」に専門家が答えます

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読者:
学校でスピーチをすることになりました。緊張で頭が真っ白になりそうです。どうしたらいいでしょうか?

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クロ先生:
その不安はとても自然です。心理学では「パフォーマンス不安」と呼び、未知(どんな雰囲気か分からない)と評価の心配(失敗したら…)が燃料になります。大事なのは、燃料を減らす準備と、もし高ぶってもすぐ戻る手順を用意することです。

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ハタケ:
不安は“脳の警報ベル(扁桃体)”が鳴っている状態。場数を踏むと、「思ったより大丈夫だった」という体験がたまり、脳が学習してベルが鳴りにくくなります。今日からできる小さい一歩を積み上げましょう。

まずはここから:60秒ミニ・ルーティン(会場で)

  1. 0:00–0:20 名前をつける:心の中で「いま緊張70点/手が冷たい」と実況(=感情ラベリング)。
  2. 0:20–0:40 体に戻る:足裏の重さ→靴の感触→床の硬さをゆっくり確かめる(注意のスポットライトを足へ)。
  3. 0:40–1:00 “次の一文”だけ:メモに書いた最初の一文を、ゆっくり・少し低めで声に出してみる。

※呼吸法が苦手でもOK。これは「呼吸なし」でも使える立て直し手順です。

家での練習ロードマップ(3日で小さく慣れる)

  • Day1:台本を「見出し化」。導入→要点2つ→締めの3行カードを作る。鏡の前で最初の一文だけ練習。
  • Day2:スマホで1分録画(導入→要点1つ→締め)。良かった点を1つだけメモ(欠点探しはしない)。
  • Day3:家族や友だち1人に前で話す。終わったら「良かった点を1つ」だけ言ってもらう。

90秒ミニ台本(コピペ可・自分の言葉に調整)

導入(15秒):「お時間をいただきありがとうございます。◯年◯組の△△です。」

要点(60秒):「今日伝えたいことは2つです。1つ目は□□、2つ目は◇◇です。まず□□からお話しします。」

締め(15秒):「以上の2点が私の結論です。ご清聴ありがとうございました。」

当日の“つまずき”への小さな手当て

  • 言葉が飛ぶ:手元カードを見て見出しだけを読む→すぐ次の一文へ。
  • 声が上ずる:最初の5秒だけゆっくり・低めで。机の角→中央→右の順で視線を回す。
  • 手が震える:台の端をやさしくつまむ/ペンを軽く持つと安定しやすい。

先生・保護者の方向けメモ

1〜2分の“練習の場”を小さく回数多く:少人数の前で導入だけを発表→良かった点フィードバック1つだけ、が自信の芯になります。

不安をやわらげる!実生活で使える3つのTips

  • 練習は「本番のように」:実際の教室で立つ位置・視線の順番まで決めてリハーサル。
  • 「完璧より伝える」マインド:100点狙いではなく、要点が届けばOKに基準を置く。
  • 身体を使ったリラックス:手をぎゅっと握って離す→肩回し10回→足裏スキャン30秒(合計1分)。
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ハタケ:
緊張はゼロにしなくて大丈夫。高ぶっても戻れる手順があれば、スピーチは十分うまくいきます。小さな成功を積み重ねていきましょう。

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