【医師と心理士が解説】プレゼン前の緊張を乗り越える方法
プレゼン前に緊張してしまう…どうすれば?
読者:大事なプレゼンの前になると、頭が真っ白になってしまって、うまく話せません。どうしたらこの緊張を乗り越えられるのでしょうか?
ハタケ:プレゼン前の緊張、つまり「パフォーマンス不安」はよくある悩みです。特に人前で話す場面では、心拍が上がり、手汗が出て、集中力も乱れがちになります。
クロ先生:対処法には「薬によるサポート」と「心理的なトレーニング」があります。まずはそれぞれのエビデンスを見てみましょう。
医学的に効果がある対処法とは?
ハタケ:2004年のレビュー論文
(Aouizerateら)では、社会不安障害やパフォーマンス不安に対して、
βブロッカー(例:プロプラノロール)と呼ばれる薬が、身体的な緊張(心拍の上昇など)を抑える効果があると報告されています。
ただし、使用には医師の判断が必要です。
クロ先生:また、認知行動療法(CBT)は「緊張する=失敗する」というような自動的な思考を修正し、成功体験を積み重ねていく方法です。
長期的に見てとても効果的ですよ。
実生活で使える!3つの対処Tips
- 1. プレゼン前に深呼吸+リハーサル:身体を落ち着け、慣れを作ることで安心感を高めましょう。
- 2. CBT的セルフトーク:「うまく話せなくてもいい」「自分の言葉で伝えれば十分」など、自分を励ます言葉を用意しておくと効果的です。
- 3. 必要に応じて医師に相談:一時的な薬の使用も選択肢です。βブロッカーは心身の反応を落ち着かせるのに役立ちます。
おわりに:あなたの悩みに専門家が応えます
クロ先生:プレゼン前の緊張は、多くの人が経験する自然な反応です。焦らず、少しずつ対処法を試していくことが大切ですよ。
マインドルートでは読者の方からのご質問に対し、コラムを用いて専門的な見解を積極的にご回答します。
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投稿者プロフィール

- 精神科医/マインドルート代表医師
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2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。
試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。
「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。
また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。
所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会
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