本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

やる気が出ないのは脳のせい?感情と行動エネルギーの関係を解説

研究:やる気と脳、感情の関係

近年の神経科学研究では、「やる気」は脳の報酬系や感情処理システムと深く関係していることがわかっています。 例えば、eLife誌の研究(Ishiiら, 2025)では、快・不快に関わる脳領域の活動が動機づけ行動に影響を与えていると報告されています。

読者の方からの質問

読者 読者: 最近、何をするのも「やる気」が出なくて…。これって怠けてるだけなんでしょうか?

クロ先生 クロ先生: いえ、それは「脳のやる気スイッチ」がうまく働いていない状態かもしれません。やる気は、ドーパミンという神経伝達物質や報酬系の働きと関係しています。 最新の神経科学では、前頭前野や側坐核などの活動低下が「やる気の低下」に関連していると考えられています(Morningstarら, 2025)。

ハタケ ハタケ: 「感情」が落ち込んでいると、「行動を起こすエネルギー」も落ちてしまうんですよね。落ち込んでいるときに何か始めるのは、車がガス欠で走ろうとするようなもの。

読者 読者: じゃあ、どうしたらやる気を取り戻せるんですか…?

クロ先生 クロ先生: ポイントは、「小さな成功体験」と「感情への気づき」です。たとえば、やる気が出ないときほど、「ほんの5分だけやってみる」ことが脳の報酬系を刺激して、やる気が少しずつ戻ってきます。

実生活で使える3つのTips

  • 「やる気が出ない自分」を責めない: それは自然な脳の反応です。まずは自分を認めることから。
  • 行動を細かく分けてみる: 「書類を全部片づける」ではなく、「机に座る」だけでもOK。
  • 感情に名前をつける: 「なんとなく憂うつ」→「疲れている」「プレッシャーがある」など、ラベリングすることで感情が整理されます。

まとめ

やる気の低下は、脳のしくみや感情との関係から説明できます。だからこそ、「やる気が出ない自分」を責めるのではなく、科学的な視点で向き合いましょう。必要に応じて、専門家に相談するのも大切です。

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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