本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

集中できないのは脳のせい?注意力と思考のばらつきの関係とは

読者からの質問

読者 最近、どうしても集中できません。仕事中も気が散ってしまい、思考がふらふらしてしまいます。これって脳の問題なんでしょうか?注意力ってどうすれば鍛えられるの?

ハタケの回答

ハタケ 集中力が続かないというのは、実は多くの人が抱える悩みです。最近の研究では、注意力と脳の働きに深い関係があることがわかってきました。

2025年の研究(Raffaelliら)によると、ADHD傾向のある人は、自由な思考状態において「思考のばらつき」が大きく、集中が乱れやすいことが示されています。これは、脳のデフォルトモードネットワーク(何もしていないときに活性化する領域)が関係していると考えられています。

クロ先生の解説

クロ先生 注意力というのは一枚岩ではなく、複数の脳のネットワークが協調して働くことで生まれています。特に、前頭前野(思考や判断を司る)と頭頂葉(感覚情報の統合)との連携がカギになります。

もう一つの研究(Preisigら)では、「予測符号化」や「選択的注意」が脳の言語処理の効率を高めるという結果も出ています。これは、意識的に「今ここ」に注意を向ける訓練が、脳の働きに良い影響を与える可能性を示唆しています。

集中力を高める実生活での3つのTips

  • 1. タスクを細分化する:長時間の集中よりも、短い集中を繰り返す方が脳にやさしく効果的です。
  • 2. デジタル・デトックス:スマホ通知などの刺激を減らすことで、脳の注意ネットワークが落ち着きます。
  • 3. マインドフルネスを取り入れる:呼吸や今の感覚に意識を向けることで、「今ここ」に集中する力が鍛えられます。

まとめ

集中力が続かないのは、単なる「やる気」の問題ではなく、脳の働きが関係しています。最新の研究は、注意力が脳の特定のネットワークや構造と密接に関係していることを示しており、日々の工夫で改善も可能です。必要に応じて専門家のアドバイスも受けてみましょう。

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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