感情表現のタイプで変わる?プレゼンにおける緊張との関係を解説
大学生の「感情表現」とプレゼン不安の関係とは?
プレゼンの前になると緊張して頭が真っ白になる…。そんな経験、ありませんか?
今回は、大学生の「感情表現」と「プレゼン不安」の関係について、心理学の研究をもとに解説していきます。PubMedで "emotional expression" AND "college students" AND "presentation anxiety" のようなキーワードで検索すると、近年この分野の研究が増えてきているのがわかります。
【対談】感情のタイプとプレゼン不安のつながり
ハタケ:今回は、大学生の感情表現とプレゼン不安についてですね。最近の研究では、どんなことがわかってきたんですか?
クロ先生:研究によると、大学生には大きく分けて「感情を外に出すタイプ(表出型)」と「内にためこむタイプ(抑制型)」がいて、それぞれプレゼン時の不安への対処法が違うことがわかっています。
ハタケ:そのタイプ分けは、どうやって見分けるんですか?
クロ先生:最近の研究では、質問紙や行動観察に加えて、AIで表情や声の変化を分析する技術も使われています。たとえば、表出型の人は不安を話すことで発散しますが、抑制型の人は表に出さないので、身体の反応を見て判断することが多いんです。
ハタケ:おもしろいですね。実際にプレゼンのときに役立つヒントもあるんでしょうか?
クロ先生:ありますよ。表出型の人は「話すこと」自体が安心材料になるので、誰かに不安を話してから本番に臨むのが効果的です。逆に抑制型の人は「準備を積み重ねて自信を持つこと」がポイントです。
自分の感情表現タイプをチェック
まずは自分の傾向を知ることが、最適な対策への第一歩です。
- 表出型(外向型):緊張や不安を話すことでスッキリするタイプ。→ 本番前に友人と話す・声に出す準備が有効。
- 抑制型(内向型):感情を表に出しにくいタイプ。→ リハーサルやメモでの準備、自己確認が効果的。
実生活で使える3つのTips
- 感情日記をつけて「自分の傾向」を客観視する(特に抑制型におすすめ)
- プレゼン直前に友人と雑談して緊張をほぐす(表出型に効果的)
- スマホで練習を録音して聞き直す→ 両タイプに共通して有効
まとめ
プレゼンでの緊張や不安は、感情表現のスタイルによって違って見えます。自分がどちらのタイプかを知るだけで、より自分に合った準備や対策が可能になります。
最近では、AIや心理学の手法を組み合わせることで、こうした「心のクセ」が可視化されるようになってきました。自分に合った方法で、プレゼンに自信を持って臨みましょう!
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次回予告
次回は「声が震える…スピーチ中の身体反応と向き合う方法」について、脳科学の視点から解説します。お楽しみに!
投稿者プロフィール

- 精神科医/マインドルート代表医師
-
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。
試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。
「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。
また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。
所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会
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