本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

人前で話すのが怖いあなたへ ― 不安に対する科学的ヒント

人前で話すのが怖いあなたへ ― 感情表現と不安の科学的ヒント

読者アイコン 読者:人前で話すと頭が真っ白になります…。心臓もドキドキして、声も震えるんです。どうしたらいいでしょうか?

ハタケ ハタケ:パフォーマンス不安ですね。実は人前で話すことに不安を感じるのは、とても一般的なことです。ある研究では、VR(仮想現実)を使ったシナリオで、自己イメージ(背が高い vs 小さい)が不安感に影響を与えることが示されています(Macey et al., 2023)。

クロ先生 クロ先生:さらに、ポジティブな解釈の癖を持つと、不安を和らげるリフレーミング(認知的再評価)がうまく機能することが示されています(Romano et al., 2020)。これは「自分は失敗する」と思い込まず、「これは成長のチャンスだ」と捉える練習です。

ハタケ ハタケ:また、心拍のコントロールに関係する「迷走神経の抑制」が感情の調整力に関係するという研究もあります(Viana et al., 2021)。つまり、体のリラックスが心にも影響を与えるということですね。

実生活で使える3つのTips

  • ①ポジティブな再解釈の練習:「緊張してる=準備してきた証拠」と捉え直してみましょう。
  • ②深呼吸と姿勢を整える:背筋を伸ばし、深くゆっくり呼吸することで、身体から安心感を送ります。
  • ③VRや鏡を使った練習:客観的な視点で自分の姿を見てみるのも効果的です。

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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