催眠療法って何?宗教?
催眠療法って怪しい?科学的エビデンスをチェック!
読者:催眠って、なんか怪しいイメージがあって…「操られそう」って思っちゃうんですよね。
ハタケ:確かに、メディアの影響でそう思われがちです。でも実際は、催眠は心理療法の一つとして世界中で研究されています。
クロ先生:今日は、記憶・集中・身体パフォーマンスに関する催眠の研究を3つ紹介しますね。どれもエビデンスレベルの高い論文です。
研究①:試験前の催眠で記憶力アップ!
クロ先生:2011年にThe American Journal of Clinical Hypnosisに掲載された研究では、催眠を受けた大学生グループの方が、試験の記憶成績が明らかに良かったと報告されています。
- ✅ 学習内容の記憶定着が向上
- ✅ ストレス軽減&集中力アップも確認
ハタケ:試験前の緊張を和らげつつ、記憶効率まで上がるなら、一石二鳥ですね。
研究②:スポーツパフォーマンスにも効果あり?
クロ先生:2010年、Journal of Sport & Exercise Psychologyの研究では、サッカー選手が催眠を受けた後に技術的な精度と集中力が向上したと報告されています。
- ✅ 自己効力感(自分はできるという感覚)が上がった
- ✅ プレッシャー下でも実力を発揮しやすくなった
読者:メンタルが安定すると、身体の動きも良くなるんですね…!
研究③:体の症状にも?ジストニアと催眠
クロ先生:2023年のTremor and Other Hyperkinetic Movementsの研究では、筋肉が勝手に収縮する「特異的ジストニア」に対し、催眠が行動療法と組み合わされて症状が軽減された事例が報告されています。
- ✅ 筋肉の緊張が軽減し、パフォーマンス改善
- ✅ 試合中の不安も減少
実生活で使える3つのTips
- ① 自己暗示のフレーズを使う:「私は集中できる」と繰り返すことで脳が切り替わる
- ② 試験や発表前に1分の目を閉じた深呼吸:自己催眠の導入として効果的
- ③ 成功体験を思い出す:催眠的想起で「自分はできる」を強化
まとめ
催眠はもう「怪しい技術」ではありません。記憶力・集中力・自己効力感の向上など、多くの分野で科学的に効果が認められています。
ハタケ:パフォーマンスを上げたい人ほど、心の準備として催眠的アプローチが役立つかもしれませんね。
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次回予告
次回は「集中できない!脳と注意力の関係」について、最新の神経科学から読み解きます。
投稿者プロフィール

- 精神科医/マインドルート代表医師
-
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。
試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。
「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。
また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。
所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会
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