心理療法で食行動や体重管理が改善?科学が証明する驚きの効果
科学が証明する、催眠療法の効果とは?
読者:催眠ってちょっと怪しいイメージがあるんですけど…本当に効果あるんですか?
ハタケ:その疑問、よく聞きます。でも実は、科学的にその効果が証明されつつあるんです。今回は、催眠療法が「食行動」や「体重管理」に与える影響を、最新研究を交えて紹介しますね。
研究1:肥満患者に対する催眠療法の効果
クロ先生:まず紹介したいのが、2023年にThe American Journal of Clinical Hypnosisに掲載されたランダム化比較試験(RCT)です。肥満患者を対象に、催眠療法と通常の食事・運動指導を比較したものです。
- ✅ 催眠グループは、対照群よりも体重がより大きく減少
- ✅ 食事コントロールの自己効力感が向上
- ✅ ストレスが軽減し、健康関連のQOLも上昇
ハタケ:単なる気休めじゃなく、行動変容と心理的改善の両方に効果が出てるのがポイントですね。
研究2:健康な成人にも効果あり?
クロ先生:2022年のBehavior Therapy誌では、健康な成人を対象にした研究が報告されました。催眠的な暗示が、食行動にどう影響するかを調べたものです。
- ✅ 催眠を受けたグループは、より健康的な食選択をする傾向が強かった
- ✅ 食事への意識が高まり、バランス重視の食習慣へ
- ✅ 長期的には習慣改善につながる可能性も
読者:えっ、催眠ってちゃんとした治療なんですね…!もっと「マインドコントロール」みたいなものだと思ってました。
ハタケ:よくある誤解ですね。でも実際は、本人の意識がしっかりある中で行う「心理療法」の一種なんです。
実生活で使える3つのTips
- ① 感情と食行動の関係に気づく:「イライラして食べてない?」と自分に問いかけてみる
- ② 食べる前に深呼吸:心が落ち着くと、衝動的な食べ方が減ります
- ③ 自己暗示を活用:「私はコントロールできる」と言葉にするだけでも効果があります
まとめ
催眠療法は、科学的にも効果が報告されている「こころと行動の調整法」のひとつです。特に、食行動やストレス対処の面で注目されています。
クロ先生:「意思が弱いから続かない」と思いがちな方ほど、こういったアプローチが役立つかもしれませんね。
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次回は「『やる気が出ない』の裏側にある脳と感情のメカニズム」について解説します。
投稿者プロフィール

- 精神科医/マインドルート代表医師
-
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。
試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。
「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。
また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。
所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会
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