本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

試合中盤で集中力が切れる?スポーツ心理で紐解く対処法と最新研究

試合中盤で集中力が切れる…どうすれば?

読者アイコン 読者:
バスケの試合で、前半は集中できるのに、後半になると集中が途切れてミスが増えます。どうしたら中盤でも集中を保てますか?

ハタケ ハタケ:
この悩み、競技者の方にはとても多いです。実は、集中力は「意識的に保つ工夫」が必要なんですよ。最近の研究でも、睡眠不足が注意コントロールに影響を及ぼし、パフォーマンスに悪影響を与えることが指摘されています。

クロ先生 クロ先生:
実際の試合では、「注意の方向づけ(フォーカス)」を意図的に切り替えることが集中を保つ鍵です。例えば「ボール」だけを見続けるのではなく、「相手の腰の動き」などに意識を向けることで、集中の偏りを防ぎやすくなりますよ。

科学的に示された集中力維持の方法

2025年の研究(Song et al., J Neurosci)では、認知コントロール能力(注意の切り替え)がパフォーマンスを大きく左右するとされました。また、Fouillotら(2025)の調査では、トップスケート選手でも注意の配分が結果を左右するとされています。

実生活で使える集中力キープの3つのTips

  • 1. 意識のスイッチ練習:日頃から「何に集中するか」を切り替える練習をしておく(例:音→呼吸→視覚の順に集中)。
  • 2. マイクロルーチン:試合中に数秒でできる自分だけのリセット動作を用意(深呼吸・手首を回すなど)。
  • 3. 睡眠管理:前日の睡眠不足は、集中力を確実に低下させます。試合の2日前から十分な睡眠を確保。

クロ先生 クロ先生:
集中力は「才能」ではなく「技術」です。トレーニングによって確実に伸ばせますので、今日から少しずつ取り組んでみましょう。

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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