本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

子どもの癇癪を減らす関わり方|感情の爆発をやわらげる親の対応3つのヒント

子どもの癇癪を減らすには?怒る前にできる関わり方

読者 読者:子どもが癇癪を起こすと毎回疲れ果ててしまいます。できれば癇癪そのものを減らしたいのですが、叱るだけでは逆効果な気がして…。

ハタケ ハタケ:とてもよい視点ですね。実は、癇癪は“その瞬間”だけでなく、“普段の関わり方”がカギになります。子どもの感情が爆発する前に、親がどう関わるかで頻度は大きく変わってくるんです。

クロ先生 クロ先生:2022年の研究(Cliffordら)では、感情のコントロールが苦手な子どもに対し、「注意を向ける力(アテンション)」を育てる支援が効果的とされています。これは癇癪の予防にも応用できますよ。

癇癪を減らす親の3つのヒント

  • 1. 癇癪になる前の“サイン”を観察:「お腹すいた?」「疲れてきたかな?」と、グズグズの一歩手前で対応するのがコツ。
  • 2. 「こうしたいんだね」と気持ちを代弁:「〇〇したかったんだよね」と声にしてあげると、子どもは“わかってもらえた”と安心します。
  • 3. 平常時の「感情トレーニング」:絵本やアニメで登場人物の気持ちを一緒に話すなど、普段から“気持ちの言語化”を促しておく。

ハタケ ハタケ:癇癪は、子どもにとって“感情があふれてうまく言えない”状態。だからこそ、親が「翻訳者」になってあげることが重要なんです。

クロ先生 クロ先生:癇癪が“悪いこと”ではなく、“成長途中のサイン”ととらえるだけでも、親子の関わり方はグッと優しくなりますよ。

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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