本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

場慣れトレーニングで「本番に強い自分」を作る:実践&エビデンスガイド

「場慣れ」は、仕組みでつくる“強さ”です

読者アイコン読者:どうしても、本番になると頭が真っ白になってしまって…。練習ではうまくいくのに、あの“場の空気”に飲まれちゃうんです。

ハタケ先生ハタケ:それは、“慣れ”がまだ十分ではない状態ですね。本番の緊張は“未知”に対するストレスなので、「知っている」状況に変えていくことが大切です。

クロ先生クロ先生:場慣れはセンスではなく、経験と工夫で身に付けられるスキルです。脳は「慣れた状況」では不安を感じにくくなります。

読者アイコン読者:でも、同じ本番を何度も経験するのは難しいですよね…。プレゼンなら一回きりですし。

ハタケ先生ハタケ:そこで、マインドルートでは“疑似的な場数”を増やす工夫をご提案しています。例えば、イメージトレーニングや自律訓練法など、自宅でもできる方法で本番モードに慣れていくのです。

読者アイコン読者:自律訓練法って難しそう…?

クロ先生クロ先生:大丈夫です。自律訓練法(Autogenic Training, AT)は、Meta解析で不安スコアが有意に低下したと報告されており 、初心者でも取り組みやすい自己リラックス法なんです。

ハタケ先生ハタケ:また、同様のリラクゼーション技法、例えばプログレッシブ・マッスル・リラクゼーション(PMR)や深呼吸も、緊張状態の軽減に効果的であることが示されており 、場慣れに役立ちます。

読者:イメージトレーニングも有効ですか?

クロ先生:はい。スポーツ心理学では、“脳はリアルに近いイメージでも学習する”とされており 、実際にVRを用いた場慣れトレーニングでも、本番レベルのストレス反応が誘導されると報告されています 。

ハタケ:これらを組み合わせて、“緊張しても動じない自分”を育てていくのが狙いです。

🔧 実生活で使える3つのTips

  • 週2–3回の自律訓練法(AT):呼吸や四肢の重さ・温かさを感じる練習を15分程度取り入れる。
  • PMR+深呼吸ルーチン:試合前やプレゼン前に1セット(14部位)、深呼吸(4‑7‑8呼吸)。
    • 例:「肩をギュッ、ゆるめる」「腹式呼吸で吐き切る」。
  • イメージトレーニング:発表会・試合を想定し、身体や環境を五感で再現。VRや動画で“場に慣れる”機会に。

📌 マインドルートからのご提案

本番に強い人は、「慣れさせる準備」が上手。マインドルートでは、スポーツ・プレゼン・受験など“本番の場”で力を発揮するための、メンタルトレーニングとリラクゼーション技法(ATなど)をオンラインで提供しています。

「自分だけの本番スイッチ」を一緒に作ってみませんか?

マインドルートでは読者の方からのご質問に対し、コラムを用いて専門的な見解を積極的にご回答します。

投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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