本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

商談中のイライラを乗り越える方法|交渉のストレスに強くなる感情コントロール

商談中、煮え切らない顧客にイライラ…どうすれば?

読者 読者:商談の時、相手がなかなか決断しないとついイライラしてしまいます。冷静に対応したいのに、感情がコントロールできなくて困っています。

ハタケ ハタケ:わかります、その状況。実は、交渉や商談といった「社会的パフォーマンス」の場面でも、感情の揺れは自然な反応なんです。最近の研究でも、ビジネスや教育、スポーツといった異なる分野で、感情調整の重要性が強調されています(Da Costa Dutraら, 2023)。

クロ先生 クロ先生:そうそう。感情コントロールの中でも「認知的再評価」という方法は、交渉中のストレス対処に効果的とされています。つまり、「相手が慎重なのは信頼を重んじている証拠」と捉え直すことで、自分の怒りを和らげることができるんですよ。

ハタケ ハタケ:それに、脳の研究では交渉のような高度な認知処理が必要な場面では、脳内のネットワークが一時的に組み替えられることも示唆されています(Liuら, 2021)。つまり、それだけ負荷の高いタスクだということ。イライラするのも、ある意味“脳ががんばってる証”なんです。

実生活で使える3つのTips

  • 1. 「認知的再評価」を使う:相手の行動を「慎重で信頼感がある」と捉え直す。
  • 2. 呼吸に意識を向ける:イラっとした瞬間、5秒吸って5秒吐く深呼吸を1分間行う。
  • 3. 商談前に「脱・完璧主義」宣言:すべてが自分の思い通りにはいかない前提を持つことで、余裕が生まれます。

クロ先生 クロ先生:商談の場では、「結果」だけでなく「プロセス」を楽しむマインドが、ストレス軽減のカギになるんです。

ハタケ ハタケ:もし読者さんが、さらにご自身の傾向を深掘りしたい場合は、マインドルートでご相談もお受けしていますよ。

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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