「子育て向いてないかも…」と感じたときに試してほしいマインドリセット法
「子育て向いてないかも…」と感じたときのマインドリセット法

読者:子どもにイライラしてしまったり、思うように育児ができなかったりすると、「私って子育て向いてないのかも…」と落ち込んでしまいます。

ハタケ:その感覚、実はとても多くのママたちが一度は経験しているんです。完璧を目指す気持ちが強い人ほど、「向いてない」と感じやすい傾向があります。

ハタケ:実際に、Mazandaraniら(2025年)の研究では、赤ちゃんの睡眠とお母さんのメンタルヘルスには「自己効力感(自分はできるという感覚)」が大きく関係していると報告されています。つまり「できていない」と思い込むこと自体が、ストレスを増幅させるんですね。

クロ先生:もうひとつ注目したいのは、Dahlbergら(2025年)の報告です。子どもの特性や環境にあわせたグループ支援を受けたことで、ママの「自信」が回復しやすくなることが示されました。つまり、育て方の問題ではなく、環境と情報のサポートがカギなのです。
「向いてない」と感じたとき、心を整える3つの視点
- 「100点じゃなくていい」:子育ては「積み重ね」が大事。うまくいかない日があって当然です。
- 「自分を観察してみる」:イライラの裏に「疲れ」「眠気」「不安」があるかも?言葉にするだけでラクになります。
- 「他のママと比べない」:SNSで見えるのは“編集された一瞬”。比べる対象は「昨日の自分」で十分です。
感情に押しつぶされそうなときにできる小さな工夫
- 3分だけ深呼吸:静かな場所に座って、3分間だけ呼吸に意識を向けましょう。
- お気に入りの飲み物をゆっくり飲む:五感を使った「安心習慣」は、脳を落ち着ける働きがあります。
- 信頼できる人に話す:「ママとして」ではなく「ひとりの自分」として話せる時間を大切に。

ハタケ:「向いてないかも…」と悩める人ほど、実は丁寧に子どもと向き合おうとしている証拠です。心が折れそうなときこそ、自分へのまなざしをやさしくしてあげてくださいね。

クロ先生:マインドルートでは、そんな「こころの揺れ」に寄り添う支援を大切にしています。ひとりで抱えず、ぜひご相談ください。
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投稿者プロフィール

- 精神科医/マインドルート代表医師
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2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。
試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。
「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。
また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。
所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会
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