本ページは、精神科医・畠山博行(マインドルート代表医師)の監修のもとで執筆されています。

大会シーズン中の心の整え方:疲労・睡眠・集中対策

大会シーズンの心の整え方:連戦中でも折れない集中と回復のメンタル術

大会シーズン真っ只中。連戦が続き、身体だけでなく「心」もヘトヘト…そんな選手の声をよく耳にします。
今回は、パフォーマンスを支える“心のコンディショニング”について、精神科医ハタケと心理士クロ先生が丁寧に答えます!

読者アイコン 読者:大会が続いてて、毎週試合です。試合後は全然眠れないし、次の試合に集中できるか不安になります。何かいい方法はありますか?
ハタケ ハタケ:それはまさに「メンタル疲労」のサインですね。肉体と同じように、心も酷使されるとパフォーマンスに影響が出ますよ。
実際、Fessiら(2016)の研究では、大会シーズン中のプロ選手が心理的なウェルネスの低下や疲労感を訴えているんです。
クロ先生 クロ先生:加えて、試合直後って交感神経がビンビンに働いていて、興奮状態なんですよね。それだと、布団に入っても「眠れない」のは自然なことなんです。
読者アイコン 読者:そうなんです!興奮が冷めなくて…。それでまた睡眠不足になって、次の試合が心配に…の繰り返しです。
ハタケ ハタケ:その悪循環、ちゃんと断ち切れますよ。最近の文献では、UEFAのエキスパートステートメント(2021)でも、栄養・睡眠・心理的回復を一体で管理する重要性が強調されています。
クロ先生 クロ先生:なので、メンタル面では「3つのスイッチ」を意識するのがおすすめです。
それが「休むスイッチ」「眠るスイッチ」「集中スイッチ」。切り替えの感覚、トレーニングと同じで身につけられるんですよ。

連戦でもブレない!アスリートの心のコンディショニングTips

  • ① 試合後15分の“マインドシャワー”:
    シャワーやストレッチ中に「試合について考えない」時間を作ることで、脳をクールダウン。これが「休むスイッチ」です。
  • ② 入眠儀式“マイ・ルーティン”を確立:
    同じ香り(アロマ)、同じ音(自然音アプリ)など、毎晩同じ流れで入眠スイッチを入れることで、交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズに。
  • ③ “スイッチワード”で集中力を瞬間オン:
    「ここから勝負」「心をここに戻す」など、自分にしかわからない合言葉を設定。脳がルーティン化すると、パッと集中モードに入れます。
  • ④ “ミニごほうび”で心を癒す:
    小さな目標ごとに「お風呂で推しの曲を聴く」「スイーツ解禁」など心が潤う瞬間を計画的に入れることで、モチベーションもUP!
ハタケ ハタケ:これらの習慣は「パフォーマンスの土台」となる心の柔軟性を育ててくれますよ。調子が崩れても戻ってくる“メンタルのホーム”になるはずです。
クロ先生 クロ先生:そうそう、「休むこと」って、負けることでも怠けることでもなく、「次も勝つための準備」ですからね。心の疲労も、ケアすることで回復します。
読者アイコン 読者:心って、自分で意識して整えることができるんですね…!やってみます!

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投稿者プロフィール

畠山 博行
畠山 博行精神科医/マインドルート代表医師
2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。

試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。

「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。

また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。

所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会

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