チームメイトにイライラしてしまう|感情を整えパフォーマンスを高める3つのヒント
【チーム内でのイライラ】感情とどう向き合い、どう話し合う?

読者: チームメイトにどうしてもイライラしてしまって…。そのせいでチーム全体の雰囲気も悪くなりそうで、不安です。

ハタケ: その感情は自然なものですよ。人はそれぞれ価値観や働き方が違うので、長く一緒にいるほどすれ違いも出てきます。ただ、放っておくとパフォーマンスに影響するので、早めに向き合うことが大切です。

クロ先生: 最近の研究では、感情調整スキルが高い人ほど、チーム内の対立をうまく乗り越えやすいことが報告されています(Freemanら, 2024)。また「話し合いの質」が、チーム全体のストレスやパフォーマンスに与える影響も無視できません(Parkら, 2024)。
感情を無理に抑えこむよりも、適切なタイミングで、適切な方法で「共有する」ことが大切です。
実生活で使える4つのヒント
- 1. 「感情実況中継」で自己認識を高める
怒りや苛立ちを感じたら「今、私は○○に対してイライラしているな」と、まず自分で言葉にしてみましょう。感情を客観視する第一歩です。 - 2. タイミングを見て「Iメッセージ」で伝える
たとえば「あなたが遅れると困る」ではなく「私は、開始時間に間に合わないと焦ってしまう」と自分の気持ちを主語にしましょう。防御的反応を避ける効果があります。 - 3. 定期的な“感情の棚卸しミーティング”を導入
感情が爆発する前に、日々のもやもやを吐き出せる場を作ることで、チームの信頼が深まります。 - 4. 話し合いのルールを作る
「遮らない」「感情を否定しない」「目的は“正す”より“分かり合う”」など、あらかじめ共有しておくと、冷静な話し合いがしやすくなります。
クロ先生のちょっと一言
「イライラ=悪」ではなく、それは“何か大切なことが守られていない”というサインです。自分にもチームにも優しくなる第一歩として、その声を丁寧に扱ってみてください。
投稿者プロフィール

- 精神科医/マインドルート代表医師
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2020年 東海大学医学部卒業。総合病院、離島医療、児童精神科などでの診療を経て、現在は急性期医療から在宅医療まで幅広い臨床現場に携わりながら、子どもから大人までのメンタルケアにも従事。
試験前やスポーツ前の緊張、不安定な集中力、やる気の波などに対し、スポーツメンタルトレーニングの視点を取り入れた自律訓練法や認知的アプローチを活用。オンラインで気軽に受けられるメンタル支援サービス「マインドルート」を運営。
「禁煙したいけどやめられない」「本番に強くなりたい」「緊張を力に変えたい」といった悩みに寄り添い、心と行動を整えるサポートを行っている。
また、「子育てがきつい・しんどい」と感じる方の悩みにも、自身の育児経験をもとに等身大の視点で発信。PubMedなどの論文を通じた確かなエビデンスに基づき、信頼できる情報をわかりやすくコラム形式で届けている。
所属学会:日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、かながわ地域精神科医会
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